コンディショニング

悪い姿勢は筋トレやストレッチだけでは治らない

筋トレやストレッチだけでは治らないワケ

猫背、ストレートネック、反り腰etc...

さまざまな「悪い」といわれる姿勢がありますが、実は「弱っている◯◯筋を鍛えましょう!」「硬く伸びなくなった◯◯筋をストレッチしましょう!」だけでは、姿勢が改善していかない可能性が高いです。

それは表に現れてきた”結果”に対する対症療法にとどまり、根本にある”原因”にたどり着いていない場合があるからです。

対症療法にとどまる筋トレやストレッチだけでは、姿勢は改善していきません。

悪い姿勢の根本原因は?

みなさんその悪い姿勢を、悪いとわかって自らとっているわけではないですよね?

わかってはいるが治せない、むしろ自分ではその悪い姿勢に気づいていないなんて方も非常に多いです。

悪い姿勢の結果として首が痛い、肩が張る、腰が痛いなどさまざまな症状が出現して、病院や接骨院、整体院、ヨガ、ピラティスなどに通って悪い姿勢を指摘されるなんてことが多いのではないでしょうか。

悪い姿勢の根本にある根本原因は、一言で言えば「錐体外路系」です。

大脳、大脳基底核、小脳、脳幹、前庭、など、無意識的に私たちの姿勢や筋の緊張具合などをコントロールしてくれている中枢、神経路のことです。

姿勢は意識的に作ることもできますが、普段は錐体外路系によって無意識化でコントロールされています。悪い姿勢をしている方はこのあたりの感覚や、感覚を統合して身体に表現することが苦手になっていたりという問題が発生していることが多いです。

そして悪い姿勢によって使えなくなった身体や運動の”結果”として、◯◯筋が弱ったり、硬く伸びなくなったりしていています。

悪い姿勢の根本原因には、無意識化で姿勢や運動をコントロールしている中枢、神経系が関与しているのです。

根本的な改善方法は?

では悪くなった姿勢の根本的な改善方法はどうすれば良いのでしょうか?

確かに、姿勢を作ったり基本的な動作(寝返り、起き上がり、座位、立位、歩行など)を行うために必要なわずかな筋力や柔軟性、伸長性がなければ、筋トレやストレッチなどの手技も必要になる場面はあります。

それはあくまでも姿勢や運動を作る一部の要素に過ぎません。

姿勢の制御をしていくためには、大きく分けると3つの感覚情報が重要です。

1. 視覚

2. 前庭感覚(頭の位置や回転、傾き、加速などの感覚)

3. 体性感覚(自分の身体の角度や位置、体重がどれくらいかかっているかの)

この3つがとても重要になります。

特に姿勢やバランスをとる上では体性感覚が7割程度の情報入力を占めるという話もありとても重要なのですが、この3つは状況や場面に応じて重要度は変わります。

例えば目をつぶって視覚情報を遮断した時は前庭感覚や体性感覚情報に対する重要度が増す、脳血管疾患などで体性感覚が鈍っている方は視覚情報に頼ったバランスの取り方をするのなど変化します。

そしてその3つだけでなく、空間認知能力、それらの情報をまとめて練り合わせ運動へと変換する力、関節の柔軟性や筋の出力など無意識化で適切にコントロールされなくてはならないのです。とっても大変。

そしてそれら身体から得られる感覚情報を統合し、それを姿勢として無意識にコントロールできるようになるには、ある程度の訓練頻度や期間が必要です。

やったこともないのに、いきなりピアノを弾けたり、バク転ができないのと似たようなものです。感覚を磨いて統合し、運動に変換していかなくてはならないのです。そして足らない部分があれば、筋トレやストレッチもする必要が出てきます。

そして長期間いわゆる「悪い姿勢」で過ごした方は、筋膜や靭帯などの組織が本来持つ柔軟性や伸張性を失う、または引き伸ばされて伸びてしまっているなどの変性をしています。

さらに、「変形性〇〇症」といった診断がなされているような関節の変形も起きてしまっている場合も改善は困難です。

むしろ変形は進行していきますので、変形を食い止めていかなくてはなりません。

ちょっと話が脱線しましたが、姿勢を根本的に改善していくためには、さまざまな感覚を感じてそれを統合し、無意識下で姿勢や運動に変換していく力が重要であること、それらの改善にはある程度の訓練頻度や期間が必要であることがわかっていただけたでしょうか。

良い姿勢は1日にしてならず。です。

姿勢が悪いと言われたことがある、姿勢が悪いとわかっているが改善しない、肩首や腰など身体の痛みや不調がある方など、私たちがお力になれるようであれば全力でサポートいたします。

ぜひ一度、お気軽にお問合せください!

最後までお読みいただきありがとうございました。

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